悠斗のお父さんは立ち上がった。




「昨日、看護師さんに『悠斗くんの彼女すごくかわいいですね』って

お母さん言われていてね。

『悠斗は趣味がいいですから』って自慢げに言ってたよ。

だから決して君が嫌いな訳じゃないからね。


お母さんが落ち着くまで、待ってやってね。


じゃあ・・私はこれから会社に戻るから。


一般病棟に移ったら、お母さんも仕事に行きだすと思う。



そしたら、悠斗に会いやすいだろう。


悠斗に毎日会ってやってね。

じゃ」




悠斗のお父さんはエレベーターの方へと歩いて行った。




エレベーターの扉が開いた時、

私はエレベーター前まで走って、



お父さんに頭を下げた。



そしてお父さんを乗せたエレベーターの扉がしまった。