悠斗のいる階でエレベーターが開くと、
目の前に悠斗のお母さんがいた。
「こんにちは」
私が挨拶すると、明らかに嫌な顔をした。
「またきたの?」
お母さんはエレベーターには乗らないで、
くるっと向きを変えて悠斗のいる病室の方へと歩き出した。
「あの・・・」
思わず声をかけて呼び止めてしまった。
「何か?」
私を睨むようにお母さんは振り向いた。
「本当に・・すみませんでした」
私は頭を深く深く下げた。
頭を下げていたら、なんだか泣けてきてしまった。
「何度謝られても、私はあなたを許す気はないから。
会わせないわよ。
帰りなさい」