「じゃあ…私帰るから」


香奈は私に軽く頭を下げた。



「悠斗に会いに来たんじゃないの?」




香奈は首を振った。



「あなたに、この事を伝えたかっただけ」





「そっか…」





「悠斗、昔私といる時は、感情がないっていうか、笑わないし、怒らないし、

何が起きても無関心な感じだった。


でも、悠斗変わった。

すごく変わった。



じゃ………」







香奈は病院の駐輪場の方へ歩きだした。





悠斗が笑わない?

あんなにニコニコ少女漫画みたいな笑顔で笑う悠斗が?



私には、笑っている悠斗の顔しか浮かばないよ。