「帰ろ…桃叶」
姉ちゃんは仕事に行き、私はママと家に帰った。
私のせいで悠斗が……
その事がずっと、頭の中をぐるぐると回っていた。
家に帰り、ずっと自分のベットで、横になっていた。
何もする気になれない。
自分が刺されればよかったのに…
そうすれば、悠斗に
悠斗の家族に
つらい思いをさせずに済んだのに
私が刺されればよかった…
自分の手首に巻いた悠斗の血の跡がついたブレスレットを
ぎゅっと片方の手で握った。
ベットでグダグダしていたら、ママが入ってきた。
「ママ、一眠りするけど、桃叶は大丈夫?
少し寝なさい。
昨日も眠れなかったんじゃない?
悠斗くん無事でよかったね。
傷は深かったけど、場所がよかったみたいだよ。
本当によかったね」
ママは横になっていた私に、タオルケットをかけた。
「私が刺されればよかったんだよ…」
「そんな…桃叶……」
ママは鼻を真っ赤にして、泣き始めた。