私の代わりに…
「本当にごめんなさい!!」
私はお兄さんたちに謝った。
頭を下げていたら、また涙が出てきてしまった。
「桃叶ちゃんが謝る事じゃないよ。
悪いのは刺した男。桃叶ちゃんじゃない。そうだろ?」
お兄さんの声は、悠斗によく似ていた。
「でも…」
エレベーターが開いて、私服のママと姉ちゃんが出てきた。
悠斗のお兄さん夫婦だと言ったら、
ママも姉ちゃんも深々と頭を下げて謝っていた。
みんなに迷惑をかけて、みんなに嫌な思いをさせて、こんな…
姉ちゃんとママに頭を下げさせて
悠斗の体に傷をつけて……
自分がすごく
生きている価値のない人間に思えてしまった。