看護師が何やらいろいろと悠斗をいじくり出して、私が邪魔そうな感じだったから、
とりあえず部屋を出た。
エレベーターホ−ルのベンチに、ヤンキー女と男が座っていた。
「ね…あんまりお義母さんの事、気にしないほうがいいよ」
ヤンキー女が声をかけてきた。
「私達が結婚する時も、ぼろくそに言われたから。
でもね、そんなに言うほど、悪い人じゃないから。
クソババァ!って思う時もあるけどね」
おいおいと突っ込んだ男は、よく見ると悠斗に目鼻立ちが似ていた。
悠斗のお兄さんと奥さんか。
そういえば悠斗のお母さんたちがいない。
「あの…お母さんたちは?」
「お義母さんたちなら、医者の話とか、あと…
ほら、警察とかいろいろと大変みたいよ。
犯人?は、本当は、桃叶ちゃんを刺すつもりでいたんだって。
なんか、その前にその男と悠斗が会っちゃったみたいで、
んで、グサッと…」