ヤンキー女に引っ張られた先は、集中治療室の扉の前だった。
え?え??
「ここで、手洗って」
「あ…はい」
言われるがままに手を洗い、
「これ着て」
と、言われるがままに割烹着のような物を着せられ、
「行くよ」
と、ヤンキー女は、ずかずかと私の腕をつかんで部屋の中へ入って言った。
連れていかれたベッドには、
目を開けて横になっている
悠斗がいた。
「今、気がついたんだよ。よかったね」
ヤンキー女が私に言った。
悠斗……
涙が目から大洪水。
「ちょっと、関係者以外立ち入り禁止よ!
しかも、もう二度と私の前には現れないでって言ったでしょ!」
悠斗のお母さんが私に詰め寄った。
「お義母さん!またそんな事言って!
悠斗が大丈夫だったんだから、もういいじゃん」
そうヤンキー女が言った。
おかあさん?
「ほら、二人にしてあげな。ほらほら、年寄りは邪魔邪魔!」
そう、ヤンキーの隣にいた男が言って、悠斗の両親を外に連れ出してしまった。