病院に着いて、ママから聞いていた階に走った。





「桃叶」





白衣のママが近づいてきた。




「今、オペが終わったんだけど、

今は…行かない方がいい。


悠斗くんのお母さんが、すごく精神的に不安定になっているから。

今は刺激しないほうがいいと思う。


桃叶、ね、


ちょっと落ち着いてからにしよう。


ママも一緒に謝るから」





そんな……




「悠斗は?本当に悠斗なの?ねえ!!悠斗は大丈夫なの?刺されたって?オペって?終わったって?無事なの?ねぇ!!悠斗は!!」


ママが


茶色のブレスレットをポケットから出して私に見せた。







血の跡・・・・・・・





わぁ−−−!!!!!っとママの胸の中で泣いた。


「悠斗が!!!

悠斗が・・・!!!!!


悠斗がいなくちゃ私!!!


私生きていけない・・・



生きていけない!!!



いや−−−!!!!!」





「桃叶、落ち着きなさい。大丈夫。優秀なドクターがオペしたから。

絶対に大丈夫。大丈夫だから」




ママが私の両肩をつかんだ。


「やだよ・・悠斗・・



やだよ!!!」

私はママの制止も聞かずに、ブレスレットを掴んで悠斗のいる方へ走った。



角を右に曲がると、【集中治療室】と書かれた扉の前に、男の人と女の人が椅子に座っていた。





「娘の桃叶です。

本当に申し訳ありませんでした」



追い掛けてきたママが、その人達に謝った。


悠斗のお父さんとお母さん…




悠斗のお母さんは憔悴しきっていた。