なんだ? 教室を見渡し、手紙を書いたヤツを探した。 ふと、見たことのある顔があった。 夏目春。 その人の名前を覚えたのは、奈央って子が呼んでいたから。 春ちゃん…って。 春と呼ばれてた人は、俺に気が付き、口をパクパクさせて「来てください」と言った。 行かない理由がないだろ…。 あの時、屋上で泣いていた意味がわかるんだから。 俺は、放課後に女に声をかけられないことを祈った。