春ちゃんは黙ってあたしの隣に座り込む。 あたしは昼食用に買ったパンを開け、食べ始める。 「やっぱり忘れられないの?優のこと。」 その一言にあたしのカラダは硬直し、自由を奪う。 「… 」 あたしは黙り込んでしまう。 「もう、半年だよ? 奈央。″アノコト″は奈央のせいじゃない。」 「分かってる。けど… 」 うん。 分かってるんだけど、カラダが言うことを聞かないんだよ。 忘れたいのに、忘れられない。