俺は屋上のすみっこで空を見ていた時。



俺は転校してきたばかりで、ここしか行く所がなかった。



「はぁっ…」



一人、屋上に走り込んできた。



息をきらして、必死な顔で。




その子は手すりにつかまり、頭を下に向けて




泣いていた…。




「…っつ、 うっ…」



その女の子は、透明な滴をポロポロとこぼして泣き続けている。





俺はその子を見て、抱きしめたい…抱きしめて慰めてやりたい…  そんな想いが頭の中を駆け巡った。




なんなんだ? これが…恋…ってヤツか?



俺は、恋をしたことがなかった。



その時は想いを打ち消したものの…




想いは、月日を重ねるごとに大きくなっていった。




でも、俺は″恋″というものを経験したことがなかった。