「ねぇ、奈央」 夏が探るような目であたしを見つめる。 「昨日、男の子と居なかった?」 「えっ…。」 昨日? 確か… 保健室で寝てて… 教室に来て… あたしは昨日の夕暮れのことを思い出す。 あたしの胸がうるさく音を立てる。 「昨日、教室で見ちゃったぁ~」 夏が楽しそうに笑って、あたしの顔色を確認する。