───数時間後



《今回の長い事件は、300人強の犠牲と共に、幕を降ろしました。

私は、プレイヤーを代表して、国民を代表して、亡くなった皆様の、御冥福をお祈りいたします。》

マイクで拡大された総理の声が、ドームに響き渡る。

被害者は、まだまだいるはず…

まだ確認が取れてないだけだ…

僕は、スフィンクスのみんなを見渡した。

最前列では、堤が俯いている。

親友と思っていた青木隊長が偽者で、本人は暗殺されていたんだから無理はない…

そのすぐ後ろには、岩谷さんが、手を合わせて何かを呟いている。

また、少し離れたとこには、喧嘩をしている二人…

精鋭部隊の光輝さんと、楠さんだ。

また、見事に生還した天空寺さんは、総理の横で面倒くさそうに片足に体重を乗せ、髪をいじっている。

また、その隣ではシルバーブロンドの長髪を背中に流し、腕組みをしている相澤隊長、その隣には、目を閉じている坂谷隊長がいる。

見るかぎり、総理の話なんて聞いている人はいない。

まぁあの人はゲームでは何もしてないから支持者は少ないだろうね。