彼女との関係が変わらないまま向かえた卒業式


勢いにまかせて、彼女を体育館裏に呼び出した


何の話しをされるか見当もつかないといった顔の彼女


そんな彼女を目の前にして、俺の口から出た言葉は


「同じ高校に入学したら 俺の彼女になってな。」


(‥やばい。情けねぇ。
同じ高校に入学したらって何だよ!)


あまりの不甲斐なさに自嘲的な笑いが込み上げる


それなのに、一瞬キョトンとした彼女はふわりと笑って


「‥はい。」


そう応えてくれた


“興味ない”


そう言われることを覚悟していた俺は 舞い上がる気持ちで彼女に背を向けた


歩きだした俺に向かって
彼女は最後に大きな爆弾をプレゼントしてくれた

「先輩の名前‥、教えて下さい。」


(俺って名前も知られてなかったのかよ……。)



卒業の打ち上げで、事の全貌を親友の橋元巧に根掘り葉掘り追求され


「ははは! 超ーうけるな! お前の名前知らないなんて葉月ちゃん大したもんだよ。
それにしたって、情けね~な お前の告白?
いや、宣言かぁ?」


的を得た発言に、容赦なくゲラゲラ笑う巧に俺は反撃する気もおきなかった