先生の記憶の中には…私がいない。


「仁川…会うか?」
「…」


怖い。
目の当たりにするのが怖い。


「行かないなら…」
「行く」


目の当たりにするのが怖いよ?でも…逃げたくないから。もう一度、仲良くなるために…


―ガラッ


ドアを開けた向こうには空を眺めてる先生がいた。
頭には包帯巻いて…


「ッ…」
「麻衣…」


涙ってこんなに出るんだぁって初めて思った。
先生…言いたい事があります。


「先生…ごめんなさい…私のせいで…」


こんな事になって。
記憶が無くなって…。


「…君のせいじゃないよ。君が謝るって事は何か関係があるのかもしれないよ?けど…僕は、君が悪い子って言う風には見えないんだ。」