あたしはどうすればいいか少し戸惑ったが、内田君の目を見て頷いた。

あたしはあの事故いらい声がでなくなってしまった。
医者には精神的ダメージが大きすぎてそうなってしまったんだと言われた。
声を出す、出さないは自分の意思で治ると言われたが、あれから3年経ったがあたしはまだ声を取り戻していない。

内田君は悲しそうな眼をして

「そっか、早く声がでるようになるといいな。じゃぁな。」

といってあたしの腕を放した。
あたしはお辞儀をして、その場をあとにした。



「彼、良い人そうだね。あんな人と同じクラスでよかったじゃない。
高校生活は安心してみていられるわね。」

おばあちゃんはそう笑顔であたしをみて言った。
あたしも頷くことしかできなかった。