キーンコンカーンコン
チャイム鳴った。
「アリサ、次の放課にまた来るね。」
「うん。」
ガラッ
「授業始めるよ~。」
「起立、きおつけ、礼。」
「じゃあ、教科書開いて。昨日の続きからね。」
担任の穂波 ちか(ほなみ ちか)先生。
元気で、皆に人気の先生。
私達の噂では、ちか先生須川先生は付き合ってるとか・・・!
噂だから、本当かはわからないけど。
「アリサ、ここから読んで。」
「はい。」
生徒を呼び捨てだったり、あだ名呼びだったりするのも親しみやすいんだよねぇ。
「はい、ありがとう。」
で、今からはお楽しみの時間。
冬馬を眺める時間。
本当は、授業に集中しなきゃいけないんだけど・・・ね。
まぁ、私以外にも授業に集中してない人はいるし。
特に、りいなが。
まったく、勉強してるように見えない。
気のせいかな・・・?
たぶん、気のせいだよね。うん。
さらとみみは、真面目に勉強してる。
冬馬は、近くの男子と喋ってる。
あっ、笑った。
可愛いなぁ。
先生に見られてる。
おっ、先生が近付いていった。
気づいてないし。
あはは、怒られてる!
馬鹿だなぁ。
皆、冬馬の事見てる。
クラスの誰かが怒られると、皆注目するんだよね。
何でなんだろ?
この時は、まだ知らなかった
ただ、君を見ているだけだった
君がこの学校を去るなんて・・・
最近、クラスでは『大縄跳び』が、はやっていた。
休み時間になると、ちか先生も一緒に大縄をやっていた。
大きい声で、皆で数を数えながらやっていた。
楽しかった。
いつもと同じように、大縄をやっていた時に、りいなが私に聞いてきた。
「今、好きな人いないの?」
って。
この時は、まだ誰にも言ってなかったし、誰もそんな事聞いてこなかったから、言うつもりはなかった。
だから、正直おどろいた。
「好きな人!いないの?」
「・・・一応、いる。」
「・・・何で、もっと早く言ってくれなかったの?」
「聞かれなかったから・・・?」
何で、私疑問形で言っちゃたんだろう。
「・・・」
黙っちゃたよ・・・りいな。
「・・・誰?」
「え・・・」
「言えない?」
言えない事は・・・
「い・・・言える。」
「教えて?」
「・・・冬馬。」
「え・・・マジで?」
「マジ。」
また、黙り込んだ。
なぁんで?おかしいのかな?
「マジで、冬馬・・・?」
「マジ。」
もしかして、好きな人かぶった・・・?!
「ありえない人を選んだね。あっ!うちは、冬馬の事好きじゃ、ないからね。」
よかった・・・
てか、ありえない人って言った?
ありえないのかな・・・?
私、おかしいとか?
けど、好きになったらしょうがないよねぇ?
「アリサ、何で冬馬の事好きになったの?」
何で・・・?
「わかんない。」
「は?」
いや、気づいたら好きだったからな。
何でって、言われてもなぁ。
「じゃあ、いつから好きになったの?」
「わかんない。」
「馬鹿?」
馬鹿って、ひどい!
わかんなくて、悪いのか!?
「別に、悪いなんて言ってない。」
「・・・え?」
「口に出してる。」
「マジで?」
私、やばい。
やーばーい!
「二人で、何してんの?」
「「さらちゃん。」」
「ねぇ、何してるの?」
「何もしてないよ?ただ、話してただけ。」
「そぉ?」
「うん。」
りいな、何か一人でさらちゃんと話してる。
まぁ、いいんだけどね。