私が君に出会うまで

「アリサ、何で冬馬の事好きになったの?」
何で・・・?
「わかんない。」
「は?」
いや、気づいたら好きだったからな。
何でって、言われてもなぁ。
「じゃあ、いつから好きになったの?」
「わかんない。」
「馬鹿?」
馬鹿って、ひどい!
わかんなくて、悪いのか!?
「別に、悪いなんて言ってない。」
「・・・え?」
「口に出してる。」
「マジで?」

私、やばい。
やーばーい!
「二人で、何してんの?」
「「さらちゃん。」」
「ねぇ、何してるの?」
「何もしてないよ?ただ、話してただけ。」
「そぉ?」
「うん。」
りいな、何か一人でさらちゃんと話してる。
まぁ、いいんだけどね。
「二人とも、話すのはいいけどさ、もう時間だからいかないと。」
「そうだね。」
もう時間かぁ・・・
「行くよ?アリサ。」
「あ、うん。」
休み時間って、短いんだよね。
20分しかない。
もっと、遊びたいのになぁ。

勉強嫌いだぁーーー!
やりたくないなぁ。
何で、勉強なんてやんなくちゃいけないの?!
けど、勉強しなきゃ『薬剤師』になれないしな。
いやだけど、いやだけど・・・
頑張ろう!
うん。頑張んないと!




この日、初めて知った。


冬馬が・・・


引っ越してしまう事





「皆に話しがあります。」
なんだろう?
「冬馬が、引っ越すそうです。」
え・・・?
「けど、このクラスが終わるまではいます。」
嘘・・・?
「だから、皆に冬馬のお別れ会をしてもらおうと思って。」
本当に、冬馬引っ越しちゃうんだ・・・
お別れか・・・
「アリサ!冬馬が引っ越すなんて、びっくりだね・・・」
「うん。そうだね。」
「大丈夫?」
「何が?」
「冬馬が引っ越すんだよ?」
「大丈夫だよ?」
「そう?」
「うん。」
最初は、おどろいた。
けど、大丈夫。
一生会えない訳じゃないんだから。




私は、君に出会えてよかった。

そう、思える。

次に、いつ会えるかはわからない。

だから、今私が君にできる事をやるんだ。

お別れ会・・・







「りいな、何やる?」
「なんでもいい。」
「・・・どうする?」
「得意な事を、いかしてやろう。たとえば、絵とか?」
「それで、いいよ!」

私とりいなチームは、『絵』を書いて何かをやる事になった。