私が君に出会うまで

私の初恋は、幼稚園の時。
相手は、近所のお兄ちゃんだった。
お兄ちゃんは、小学生だった。


今、小学三年生の私が恋をしているのは、同じ学年の彼。
西川 冬馬(にしかわ とうま)君。
特別かっこいい訳じゃない。けど・・・
私にとっては、最高にかっこいい。
好きになったのは、単純な理由。
冬馬は、幼稚園の時から、知ってる。
幼稚園の時は、冬馬が私の事好きだったみたい・・・
けど、今はどうなのかわからない。
きっと、私の片思いだと思う。

夏休みが明けて、冬馬に久しぶりに会った。
ドキっとした。
私が冬馬を好きな事は、誰も知らない。
友達は、それなりに多いけど、誰にも言ってない。
友達に言うのは、恥ずかしいから。
だから、言えない。

「アリサちゃん。」
「みみちゃん。何?」
この子は、『城野内 みみ(じょうのうち みみ)』。
私の大切な友達。
「アリサちゃん?」
「なぁに?」
「顔がにやけてるよ?」
「えっ?!本当?」
「うん。」
やばいなぁ・・・
冬馬の事、考えてたからかな・・・?
「また・・・」
「えっ?何か言った?」
「何も、言ってないよ?」
なんだろう・・・?
うーん。
「アリサ?顔がおかしいよ?」
「りいな!顔がおかしいのは、元からだよ!」
「なぁに、言ってんの!アリサは可愛いよ!」
えっ!今、りいな私の事可愛いって言った?!
「ありえない!」
「ありえるの。」
そんな事ないのに・・・
「ねぇ、さらちゃんもそう思うでしょ?」
「そうだね。アリサは、可愛いよ。」
「だよねぇ!」
この、私が可愛いなんておかしな事言ってるのは、私の友達。
川口 りいな(かわぐち りいな)と吉田 さら(よしだ さら)ちゃん。
二人とも、幼稚園の時からの友達なんだ。
「そーだ!何か話しあるの?」
「「ない。」」
「何だ。そうなの?」

キーンコンカーンコン
チャイム鳴った。
「アリサ、次の放課にまた来るね。」
「うん。」
ガラッ
「授業始めるよ~。」
「起立、きおつけ、礼。」
「じゃあ、教科書開いて。昨日の続きからね。」
担任の穂波 ちか(ほなみ ちか)先生。
元気で、皆に人気の先生。
私達の噂では、ちか先生須川先生は付き合ってるとか・・・!
噂だから、本当かはわからないけど。
「アリサ、ここから読んで。」
「はい。」
生徒を呼び捨てだったり、あだ名呼びだったりするのも親しみやすいんだよねぇ。