中学生になったあたしは、部活と勉強に追われまともな恋愛なんてできずにいた。
部活が休みの日、凛と帰っていたら
「道坂!!」
と叫んだ。
こういうこと、よくあるんだよね。
チャリに乗った高校生は、振り返り止まった。
「凛…!」
眼鏡をかけて、耳にイヤホンをしていた。
あたしと凛は、小走りで道坂とやらに近づく。
「ねぇ凛、誰だっけ??」
「えー忘れちゃったの??まぁおもしろいやつだよ!」
道坂を近くで見ると、確かにどこかで見たような…。
うーん。
そのあと、道坂の家の前でたくさんたくさんしゃべり、凛はケータイを持っていないのであたしとだけメアドを交換して帰った。
3人でいたら、すごくおもしろくてお腹が痛くなるまで笑った。
単純に、このひと好きだなあって思ったけど、高3だから、恋愛対象には入れないようにした。
それから毎日、道坂とメールを交わした。
他愛のない話をし、帰り道ばったり会う…なんてことも多かった。
神様のいたずら。