私が首を振ったのを確認すれば、一度微笑んだような顔をして、また慎李と向き合いました。

「篠守、田崎を勝手に連れ出したのは悪かった。けど、そこまでお前に攻められる覚えはない。お前は保護者か。」

「うるせぇ。…ただの幼なじみだよ…今はな。」


ん?後半、よく聞き取れませんでした。

でも、佐久間くんは聞き取れたようです…。

「おぃ、むっつりか。」

私には、よく意味がわかりませんでした。

そ、それより、このままほって置いたら、まだまだ続きそうですので…


「慎李!早く教室戻らないと、昼休憩終わっちゃうよ!…さ、佐久間くんも、たまには授業出なきゃダメですよ?」


佐久間相手だと、やっぱりちょっと吃ってしまいます。

「おぅ。」

不器用ながらも、返事をしてくれる佐久間くんについ笑みが零れいまいます。

「じゃ、また教室で会いましょうね。」

そう言って、私は慎李の手をとり教室に向かって走り出しました。


「慎李!」

「んだよ…」

教室へ行く途中、私は慎李に話かけました。

「私、お友達が増えたんだよ!」

「友達…って、佐久間の事か!?」

慎李は驚いているようです!


「うん、そうだよ。これから、賑やかになりそうだね。」

「あぁ、そうだな。」

引き攣った笑みを浮かべそう言うと、今度は呆れたような笑みを浮かべました。