慎李を見送った後、席につき一人でお昼を食べました。

別に、寂しいとは思いません。

これが、私の中での普通何ですから。

ただ、欲を言うと、慎李と一緒に食べたかったです。


そんな事を思いながら、お昼を食べ進めていきました。

すると、廊下からドッドッと大きな足音が聞こえ、この教室の前で止まり、次の瞬間、扉が壊れるんじゃないかと疑ってしまう勢いで開きました。

さっきまで賑やかだった、教室内がシンと静まり返る。

扉を開けたのは、始業式以来見ていない、不良の佐久間小豆(サクマアズキ)くんでした。

佐久間くんの事は、珍しい名前と不良、何より私の席の前と言うことで、覚えてはいました。


「おい、田崎櫻って奴いるか?」


静かな教室に、佐久間くんの低い声が響く…。


というか、今何ておっしゃいました?

タザキサクラ?

私の事……私の名前ですよねぇ?!

な、何かしましたか、私?


「た、田崎さんなら、アソコに。」


吃りながら、震えながら私を指差すのは山田くん。


ちょ、何言ってくれてるんですか?!

山田くん、貴方見損ないました!!(話したことはありませんが。)


「あぁ、そんなとこに居たのか。ちょっと、表まで来てくれ。」

私を見つけると、側まで来て、何を言うかと思ったら、まさかのお呼びだし…。

勿論私が断れるはずなく……


「は、はいっ!」


二つ返事に返してしまいました。


そして、体育館裏に来てしまいました。

道中(って程道のりは長くありませんが)、何度も(心の中で)慎李を呼びましたが、来てくれるはずもありません。


ここで、冒頭に戻るのですが…。