その理由は、この体の所為。

この憎らしい体の所為。


あたしは、元々喘息で、体があまり強い方ではなかった。


だから、お母さんもお父さんも、吹奏楽部に入ることを猛反対した。


でも、どうしても入りたかったの。

…空を困らせるつもりじゃなかったけど。


入学式の演奏は、それは素晴らしいものだった。


あたしが卒業した中学校は、今の高校のレベルには到底及ばなかったけど、県大会突破はよくあるような、少しだけ吹奏楽の強い学校だった。

滑らかな旋律に、それを支える低音、しかもそれは何重奏にもなっていて、もう止められなかった。



あたし絶対吹奏楽部に入る。


お母さんにそう宣言したときは、お母さんの顔が真っ青になっていた。