「何で…分からんのかちゃ…。こ……俺…き、…のに…」

空の声が小さくなって、かすれた低い声はよく聞こえなくなった。


「え?聞こえない…」



「こんなに俺は好きなのに」



え?

嘘。


さっきまで、あたしの心を満たしていた、不安や恐怖は一気に飛んでいった。

あたしはまるで、夢を見ているみたいな気分になった。


それから、また不安が襲ってきた。