「…和菜」


空がかすれたような声を出して、切なそうな顔をした。



「空、話あるんやけど。今ちょっといい?」


あたしも、目を真っ直ぐに見て、言った。

自分でも、びっくりするくらい冷静な声が出た。


「…ん」


そう言うと、空は首にかけてるストラップを外し、楽器をおいた。


「ここじゃ何だから、中庭で」


少し優しい口調で、空が言った。