「花音、こいつまじありえん」

准があたしに指を指す。


「何が?ってか空は?」

「だから、そのことだっつーの。空も可哀想にな」

准が嫌味っぽくそう言うと、花音が顔を一瞬歪ませた。


嫌悪感を持ってるような、歪ませ方じゃなくて、困ってるような、そんな感じ。


「…しょうがないやろ、こればっかりは」

方言はきついのに、花音は声が可愛いから、優しく聞こえる。


本当に、意味が分からないよ。

話に入れないよ。

苦しいよ、空。


ねぇ、いつもみたいに助けてよ。