ちょうど来た電車に乗って、10分もすれば、花音が乗ってくる。


あたし達はいつも、第一車両に乗る。

いくら混んでても、人が多くても、それが花音との待ち合わせ場所だから。


休日だからか、いつもよりは幾分人が少ない。


「もうすぐ、コンクールかぁ…」


准がつぶやく。

他人事のように言うのは、きっとあたし達が出られないから。


まぁ、強豪校となれば、一学年の人数も多いし、一年生が出れないのは当然だ。

二年生は、何人か出られるけど、その分三年生が落とされる可能性だってある。


実力勝負なんだ。


そう思えば、逆に燃えるのは、あたしだけ?