「空、眠いよー…」


自転車置き場に向かいながら、あくび。

空はちっとも眠そうじゃない。


「ほんと、和菜は低血圧だね」

「うん」


そんな他愛ない会話をしながら。


「ほら、乗って」


そう急かされて、自転車の後ろに乗る。

いつものように、空の背中にしがみつくと、空が自転車をこぎ出した。