そのまま急いで帰宅し、時計は18時30分をさしていた。 「ただいまー」 と言うと5歳の小さな弟、優(ゆう)がリビングからひょいっと顔を出す。 「――おかえりなさい、おねえちゃん。」 「遅くなっちゃってごめんね、優。」 と謝れば、少しだけ切なそうな目をしながら笑う優。 「――うんん、 お母さん、またおしごと行っちゃった。」