「――っあ、」
またやってしまった………
これだから――――
すみません、
そう言おうとした時だった。
「――噂通り。
…本当に、男の子ダメなんだ?」
と意外な言葉が聞こえて来て耳を疑う。
―――へ?うわさ―――?
下に向けていた顔を少しだけ、あげると男の子は意地悪そうな笑みでこっちを見ていた。
すっごく綺麗な顔立ち。
女のあたしより――――かもしれない
「梨音、―――天野梨音。」
「…へ?」
「梨音っしょ?……名前。」
「そうですけど…なんであたしの名前知っているんですか?
…というかどちらさまですか?」
男の子は口元を緩めると
「…さあね、」
とそれだけ言った。