我が儘言わないんじゃない。



言いたいけど言えないだけ。




我が儘を言えば

お母さんを困らせるだけだ、

と優は知っている。





だから――お母さんに

言えない分あたしには甘える。








優の頭を撫でながら、


「――もう、寝よっか。」



って言うと優は笑顔で頷いた。





電気を消してから

二人でベッドに入り肩まで

掛け布団をかけた。