あたしの家は母子家庭で
お母さんは
ほとんど一日中働いている。
夕方、一度帰って来て、優を保育園に迎えに行ってからまた仕事に行く。
――幼い優をひとり、家に残して。
お父さんは優が生まれて
幼稚園に入ってから少し後に
病気で亡くなってしまって
お母さんは働っきぱなし。
そのため、幼稚園から保育園に変更した。
あまりにも、忙しすぎて時々お母さんは朝帰ってくることもある。
一日にいくつもの仕事が入っていて、一般的な休日ですら、お母さんには無い。
あたしもお母さんの負担を
少しでも減らす為に
バイトする、そう言ったけれど
お母さんに反対された。
“優の面倒を頼む”、って。