その 悲鳴は
さらになり続ける

女性の声
男性の声
子供の声



そして
『やぁ 久し振りだね。』



神様の声



『約束どうり “欲”を奪いにきたよ』



その顔は
泣き出してしまうんじゃないかと思うほど悲しそうだった。



「い いやだ。神よ! 私はただ 彼女に会いたいんだ!!
会いたいだけなんだ!!
会わせてくれ!!」



『…さっきの悲鳴は…地上からだ
君が動いたら その振動が“地”を動かし
そして“地震”をうんだ。
君の“欲”が およそ12万人の死者をだした。


君の“欲”が
そうさしたんだ。

分かるね?』



ドクッ…
私に恐怖が来た。
体が震える
涙が 溢れて
嗚咽が止まらない


「…彼女は…どうなりましたか?」


神様は目をつぶって
言った。


『亡くなったよ。
さっきの地震で
物の下敷きになって…。』











ここは ある暗い暗い
海の底
光も声も けして
上の世界には届かない場所



神様は 再び
私から “欲”を奪った。


だから 彼女に会いたいとも思わない。

地上に出たいとも
思わない。

いや 私は
この世で一番
大きな生き物



クルクル周り
あなた達を乗せています。



神様は言う
『あなたも生物だ。
でも好きなかってに出来ない生物だ。

でも あなたにはたくさんの生物〔こども〕が乗っている

忘れないであなたは
全生物の 母 でもあるのだよ』



私は この世で一番
大きな生物
“欲”を持っては
いけない生物


今日もあなた達を乗せて
クルクル周ります。