「お前は絶対に損するよ」

「え……」

「いつも使われてるから」




綺麗な瞳で見られて、目を反らせない。




どうしてそんなに私の……弱い自分を擽るの?




「ま、そんだけ帰るの?」

「うん……帰る」

「送ろうか?」

「いいよ……」

「襲われても困る」




襲われてるって……。いつものことだし。




金は貯まる。だけど満たされない私。




叶は頑固な一面があり、結局途中まで一緒に来てくれた。



それから一人になって弱音を吐く。




一人だからこそ弱音を吐く。



ちょっとだけ……叶に電話をかけたい。




明日にはまた玩具として使われる。




今日だけって思い、ケータイを開いてかけた。




プルルル……




「ん?もしもし」

「私。芽瑠だけど」

「さっきぶり、芽瑠からなんて夢?え?」




叶は混乱している。夢?の連呼。




「今日だけ言わせて……」

「何?」

「寂しい………」




「明日も本音言っていいよ?」

「ううん……今日だけ、じゃあ」




ぐるぐるの思考回路。私って意味不明。




明日からまた悪魔マリアになる。




マリア様……羽を治せる魔法をください。




そしてあの牢獄から出してください。




どうして私には神の手助けがこないのですか?




芽瑠side




「芽瑠ー10人お疲れ。」

「お疲れぇ」

「どうだった?気持ち良かった?」




質問攻め………。




やめてよ、本当はしたくない。今日も、明日も。




「今日はどれにするぅ?」




なんてエグい。私を地獄を何回も選ばす。




だから私は何回も這い上がるから悪魔マリア。




女王たちは甲高く笑い、選択を焦らせる。








「どれでもいい、美佐さヤッたら友達にやらせる前に」

「私だから処女。他の子もねだって美佐、芽瑠は……「そこまでにしようね?」




叶………?




「それ以上はシークレット」

「叶くん来てたんだぁ」




女王たちの惚け顔。イライラする。




叶の前だけ私に優しく振る舞おうとする。




「芽瑠は最高の親友って言おうとしたのぉ」

「…………」

「叶、アンタなんでここにいるの?」

「俺はたまたま」

「まだ呼んでないけど?」
……どこまで聞いてた?私が夜たくさんの男と関わってるの…バレた?




「何の話でこうなった?」




良かった……真の部分は聞かれてなかったみたい。




ここで叶にバレたら、泣いて泣いて、抱きついてしまいそう。




「アンタたちもさ友達は大切にな?」

「大切にしてるよぉ?叶くん何か怒ってるぅ?」

「別に………」




叶は不機嫌で何だか怖くて私は女王を庇うことを忘れていた。




叶は男……怒ったら怖いに決まってる。




よく見たら細みなのにほどよい筋肉。




殴られたら……危ない。




でも女王たちを庇わないと、



「叶、アンタは呼んでない今はいらない」




叶は私の言うことを聞くと思ったのに……その場から立ち去らない。




「叶く~ん怖いって……ばぁ」

「俺は見てるからすべて」




謎を落として立ちさった叶。



すべて?何言っちゃうワケ?




すべて知ってる……か。




叶には十分に気をつけよう、女王は怒りが沸々と上がっている。




叶side




よくさっきの話は聞こえなかった。




わかるのは芽瑠に……酷いこと言いそうだったから……。



止めに入った………。




「俺はすべて見てるから」




友達ならもっとこう……和が和んでいるはずなのに、まったくそれが感じられない。




いつも芽瑠は1日を忙しいで片付ける。




女子高生はそんなに忙しくない。




例え用事があっても電話の時間はあるはず。




芽瑠に気をつけないと。




目を向けてやらないと、どんどん自分を責めて頑張って……。




損しそうな性格。




そのあとの昼休みもさりげなく芽瑠を観察。




変態に見えるか……?大丈夫だよ俺。




「芽瑠ぅあの男と喋りたいなぁ」

「わかった」




芽瑠は指示されて男と話してる。




とても面倒くさそうにして、ツーンって顔して




なんでそんなに自分を……悪役にする?




「…………」




俺……見てられない。




「芽瑠ッ」




教室の生徒が……俺が女子に話しかけるのは珍しく、目を見開いてこっちを見ている。



そんなの無視して芽瑠に近寄った。




「芽瑠………」

「私呼んでないよ?」

「あーもう……コッチこい!」