「じゃあヤろうか?」
「はい……………」
なんで毎日毎日……愛のない体だけの付き合いをしなければならないのか……。
全然気持ちよくなんかない。
私は抱かれているときいつも損をしてるって思う。
「逃げたら次、君の友達な?」
ほらだから、毎日気持ち悪いことをしなきゃいけない。
友達か………いやあれは友達じゃないでしょ。
見てわからないの?
「わかったよ……今日は終わりね」
「同情するよちょっと」
へぇ……そんな同情言うなら助けてよ。
まぁ死んでも言わないけどね。
重たい体を起き上がらせ、水を飲んだ。
「じゃあな、また頼むよ」
一生…こないで、気持ち悪いから。
あと2人今日はお相手しなきゃいけない。
でも今日は休もう、疲れたんだから。
はぁ起こしてくれる人もいないなんて、死んでる。
私には弱音を吐くひとも相談に乗ってくれる人も一人もいない。
誰かにすがりついて泣きたい…そんなこと言えない。
「やだ……私、もうしんどい」
独り言だけ…弱音を吐くんだけど…誰か聞いてるかなって期待をする。
そう……今、行くのは学校。
今日も何を頼まれるのか…。
アイツ等の尻を拭く私はどうかしてる。
芽瑠side
「芽瑠~私また処女なのに「ヤろ」って言っちゃたんだよねー」
他の私を囲む女子もニヤニヤ笑う。
「だからー芽瑠代わりに、やってきて…」
「いいよ、別に」
「さっすがぁ、じゃっがんばって」
処女ねぇ…私はお前たちのせいで失くしたんだけどね。
「やっぱ私たちの友達よ~芽瑠はー」
友達ねぇ……訂正して玩具でしょ?
退屈しのぎの私は玩具。かれこれ今年で2年間続いてる。
なんでこんなメスたちといるんだろ。
居たくないけど…抜けるのも怖い。
「芽瑠~この男子ほしい、芽瑠今から仲良くなってきて」
「えっなんで…めんどくさいよ」
「ハァ?私たちの頼み聞けないの?」
「わかった冗談だよ、行ってくるよ」
だから……友達じゃないでしょ。メンバー抜けたら怖いしね。
それに学校の女王を率いるメンバーの一員。
私は女王たちの番犬か玩具。たぶん、ずっと使われる。
「さっさと行ってきて」
「うん、わかってる」
はっきり言って、女王たちは不細工、私よりね。
「芽瑠さすが顔いいことだけあるー」
「そう、ありがと」
男子の前だと女子は態度変わるって誰か言ってた。
「悠馬くん~私たちと遊ぼう?話そう?」
「うん」
お気の毒に、悠馬くん。私に騙されてのこのこついてきて。
だから私は「悪いことしたのになんで平気な顔でいられるの?」
って言われる。それも全部女王の命令によって誤解される。
「ジュースほしいなぁ」
「私も~ほしぃ」
ジュース買ってこいと私に視線を送る。私はそれを察し
「ジュース買ってくる」
「ありがとぉ芽瑠ーやさしぃ!」
女王たちが私にだけを視線を送るからでしょ。
あぁ…もうめんどくさい。玩具はずっと玩具。
よくそんなに人を使えるよね。
女王たちが失敗したらそれを埋めるのは玩具である私の役目。
「ジュース遅いから、悠馬くん行っちゃったじゃん」
けっして私のせいではないのに。
責められるのは私。もう日常茶飯事か。
「どうしてくれるのよっ!」
「ごめん」
今日はどんな…罰だろう、こういうとき私は受けるのは。
「あっ私またあっち関係の人と知り合ったんだけどーそれも私キャンセルだからぁ」
「………………」
「キャンセルはボコボコにされるんだよねー代わりさあ芽瑠行ってきて?」
「えっ…それ行きたくない」
できるわけないでしょ、私だって人なんだから。
殴られるのはイヤ。
「大丈夫だって半殺しにされるだけだってぇ!芽瑠ならいけるよー」
女王たちの失態は私の失態。
尻を拭くのは私の役目、仕事。
「わっわかったよ、行けばいいんでしょ?」
「さっすがぁ芽瑠ー一生友達」
だから一生玩具の間違いでしょ?
友達という名で私をそばにおこうとしないでよ。
「今日昼、どこ行くー?」
「私はー喫茶店」
「いいねぇー芽瑠、空いてる?」
「空いてるよ」
女王たちに合わせる日々。断ったら一刻の終わり。
………濁ってる全部濁って見える女王たちのすべて。
気に入らないけど、抜け出すことができない。