店内を行ったり、来たり、それが俺の仕事。
ナンバー1の誇りという奴。
俺の名前がジャンジャン呼ばれる。
「今日は終わり」
「お疲れ様でした叶さん」
「あーうんうん、お疲れ」
俺を敬う奴も多いってことも誇り。
「叶さんさっきの電話の相手、女ですか?」
「うん、そうだけど」
「珍しいですね」
「あーほっとけない感じ」
だって俺にはあの顔は無理してる顔にしか見えない。
「へぇほっとけないって叶さんが」
「ああ、前から気になってた子」
そういえば芽瑠は……体大丈夫なのか?
すごく苦しそうにしてた。
家知らないし……助けることもできない。
………何もできないなのは辛いな。
「叶さん本当にイケてますね」
「顔だけで寄ってくる女は嫌い」
「同感です」
「もう俺、失礼します」
「ああ、また明日!」
芽瑠のことを一人店内で考えた。
アイツ………ケバイ3人に使われてるんだろうな。
今日朝見かけたときジュースを運んでる姿が……寂しかった。
孤独さがあった、あの3人が友達なはずなのに。
正面から見たら……涙がこぼれそうだった。
その涙をいつも……3人の前で枯らしているんだろう。
自分は大丈夫だと言い聞かせるために。
俺、いやでも明日電話かけるか…。
芽瑠side
ガチャリとドアが開いたときこの世の終わりと思った。
「初めまして、さっそく」
私をベットに押し倒し、激しく触られる体。
痛い………ってこんな傷見たら普通ヤらないでしょ。
代わりにヤってあげてるんだから……気を使ってよ。
ああ……あとどれくらい続くんだろ。
「………ハ……くっ」
腰を揺らされる度に体全体に殴られた痛みが走る。
私に休みなんてない羽を休む場所なんてもっぱらない。
依頼…、代わりを頼む、罰。
リズムを刻むようにこれが繰り返される。
エンドはない……エンドレスlife。
私はそう呼んでる。脱獄したらそれ相応の罰を下される。
何回も……ずっと。
「……ありがと、また宜しくー」
「……………」
本当は………もう一回脱獄したいあの女王たちの牢屋から。
こんなことしなくて済むのに。
眠ったって……もう朝。
寝る時間なんて、できても1時間。
肌の手入れとか、お風呂とか……できないときもある。
「叶くん全然電話くれなーい」
「私も……うざーい!」
「叶くん全然相手してくれなーい」
「呼んでこようか?」
悪いね叶……女王たちのお呼びが来てるよ。
代わってよこの玩具役。もう……限界。
ダメダメ今のは幻聴、幻聴に決まってる。
「あのさ、またあの子たちのところ来てほしい」
何か書いてる手をやめてコチラを見る叶。
「……わかった」
黙って連れかれる女王たちの王……。
首輪つきだけどね。明日には釘を打たれるかもね。
「……叶くん♪待ってたよ」
女王たちのお相手頑張って。気に入れられてるみたいだし。
私はその仲立ちをすればいい。
私のこれからの役はその役。
両手に花って言葉が似合う叶は女王たちに捕まれてる。
両手に花っていうより両手に妃って感じかな。
食われるように体を触られる叶。
黙ってどこか見てる。
恨まないでよね、私がいつも恨まれるけど………
恨まないで………。
「叶くん好きなタイプはぁ?」
「……………」
会話はずまない、私の罰が増える。
叶……口開いてよ。
「私……叶くん好み」
振らないでよ?全体に女王を振らないでよ……。
告白じゃないけど猫被ってもいいから素っ気ない態度は辞めて。
「ありがとう」
私の思いが伝わったのか思うがままになった。
「芽瑠ー今日は叶くんと遊ぶぅ」