一体どれほどの時間が過ぎただろう。
空が暗いのは、雲のせいだけではなくなっていた。
辺りも真っ暗だ。
遠くに見える空は、町の光によって明るくなっている。
確か、去年もそうだった。
今まで毎年そうだった。
僕はずっと、町の光を眺めているだけだった。
今年は。
今年は、ユカリさんが来てくれるから。
きっと。
だから僕は、ここにいよう。
僕はほとんど身動きをとらずにいた。
暖を取られるからだ。
僕はたった一人、木の下に立っていた。
二、三本コーヒーを飲んだにも関わらず、僕のまぶたは重くなっていた。
もしかして、寝て起きたらユカリさんが立っているかもしれない。
そう思って、僕は立っていた。
僕はユカリさんを待っていた。