「ああ!ちょっと待っててね」

自分でも下手な演技だと思う。

気持ちを落ち着かせるために一旦自分の席に戻る。

立ち上げていたパソコンの画面を確認。

……メールが届いている。

確認すると、新着メールの送り主はすべて部員からだった。

いくつか中を確認する。

『ラブラブっすね』

そんなこと言わないで。恥ずかしい。

『ヒューヒュー』

出来れば口で言って。メールで出さないで。

『このメールを三日以内に10人に転送しないと不幸なことが起こります』

どさくさに紛れてチェーンメール送るな。

『by 長瀬』

……それだけが書かれたメールだけが、メールボックスに溜まっている。

いや、もっと増えている。

「先輩DDos攻撃しないでください!てか、メールサーバは学校のです!学校のサーバが落ちますって」

焦らず、パソコンを操作する。



……結局すべてのメールを拒否して難を逃れた。

何だこの嫌がらせ部活。

部長やめるぞ僕。





落ち着いたので、雪城さんの席に戻る。

「その、すいません」

開口一番、雪城さんが謝る。

「いや、謝ることじゃないよ」

……パソコン部のカオスな一面は出来れば見ないでもらいたい。

特に先輩のは。