その後の話しは正直頭にはいらなかった


心配する浅井夫婦は省吾さんに何か話しをしていた


場の空気を悪くしない程度に談笑し私達は部屋を出た

浅井さんには

「警察官の試験が近いから頑張ってね。何かあったら遠慮なく頼りなさい。力になるからね」

浅井さんのご主人はそう言って優しく笑顔を向けてくれた

「今日は本当にご馳走様でした。明日は何時の出発ですか?」


「明日は15時の飛行機だよ。」


「気をつけてお帰りくださいね」


省吾さんと浅井さんのご主人はそう会話し少し離れた所でまた会話を始めた


「瞳ちゃん…」


浅井さんが話しかけてきて私をギュッと抱きしめた


「不安だよね。傍にいてあげられなくてごめんね…
省吾君良い人ね、瞳ちゃんの事本当に心配してくれているよ!
信頼できると思う。彼の事好き?」


「え…………どうかな」


「まだ気付いていないのね。いつも張り詰めた空気を纏っていた瞳ちゃんが、こんなに柔らかい空気を纏っているのは、きっと彼のお陰よ?彼といると安心するでしょ?」


「………そう……かも…」

するとクスッと笑い


「安心して北海道に帰れるわ元気でね!」