私は応援してくれると思っていただけに、凄くショックを受けた


ご主人は私の目をしっかり見ている


膝の上に置いた手をギュッと握りしめていたら、横にいる省吾さんがそっと手を上から被せ優しく摩ってくれた


その手は優しく"頑張れ"と言ってくれていた
だから、自分の素直な気持ちを今言ってみようと思った


「私は…幼い頃受けた出来事は今でも鮮明に覚えていて、これまで苦しい時や寂しい時もありました。
けれど、私の周りには私の事を本当に大切にしてくれる人達がいて、いつも支えてもらっていたんです。

それが浅井さんでした。
私は、同じ思いをしている人を支える事ができる人になりたいんです。
それに、早く自立して叔父さんや由美子さんに恩返ししたいんです」


浅井さんのご主人はじっと考えていた


「わかった。なら、これから話す事は冷静に聞くんだよ。俺達はかなり前から気になっていた事があって、今回その事も聞きたくて徹さんに会いに行ったんだ。
ちょうど病室には彼がいて、俺達と同じ事を心配して話しをしに来たらしいんだ」