「まっさかぁ・・って思ったんだけど昨日ブログを見てたらさ、順が『俺、J・H学園に転校するんだ』って・・・J・Hってここの学校のことじゃん?!うちもう驚いちゃって・・・」

「・・たぶんそれって違うよ、京子。潤鵬学園だよ、きっと」

潤鵬学園は芸能人が通うことで有名な学校。

都心にある有名校だ。

それに、うちの学校に来るわけがない。

こんな田舎に。

「そっかぁ・・でもさ、もしうちの学校に来たら嬉しくない??」

「すっごい嬉しい♪♪会ってみたいなぁ・・windyに・・」

「ライブにいくお金はないもんね・・・」

「超田舎だし・・ここ・・絶対来ないでしょ?」

そんな風に思いをはせていると。




「ちょっとあんた、邪魔よ!どいて!!」

・・・来た。

独特のハスキー声。

「私を誰だと思ってんの?百合華様よ?!」

伊藤門百合華。

この辺で一番のお金持。

ゆえに、ここの学校の王女様。(気取り)

「はいはい、すみません・・・」

東京に行ったら。

こんなやつ、屁でもないのに。

なんか、悔しい。

「うざ・・」

ぼそっ。

思わず、ぼやく。

「ん?なんか言った?私に楯突くつもり?」

「いえ、なんでも・・・」

護衛隊の一人が、百合華になにか耳打ちする。

「・・・なるほどねぇ・・・」

「ちょっと、奏!やばいって!!」

京花の顔が青ざめている。

百合華にはむかうとどうなるかなんて。

誰もが知っている。

いじめよりもっとひどい。

完全無視。

なにをしても、学校に来ても。

先生もいえない。

それは百合華のパパが理事長だから。

「うざいって、何がうざいのかしら?言って御覧なさい?」

いまや、教室の目線は私一人に向けられている。

うわ、緊張する・・・

次の一言で私の未来がきまる。

「全部・・・」

「ぜんぶ??なにの??」

「てめえなんて東京に行けば屁でもないのに・・・こんなド田舎でなんであんたみたいなヤツに服従されなきゃいけないんだよ!!」

・・・言ってしまった・・・

「・・奏・・・」

終わった、私の学校生活が・・・・