でも…
訳を知りたい。
「本多先輩は、春瀬先輩の男嫌いの訳知っていますか?」
少しでも、春瀬先輩の力になりたい
「残念ながら知らない。多分、ちひろの親友の実咲ちゃんなら知ってるかもね。」
やっぱり、北川先輩か…
ありえない程、男嫌いの春瀬先輩。
なんかあったはずだ。
こんなに、なってしまった理由ってヤツが…
「あと、5分で昼休みも終わりよ。教室に戻りなさい。」
「はい。」
俺は、言われるがままに仕方なく教室に戻った。
そして…。
俺が春瀬先輩の
男嫌いの理由…
いや…
過去をしることになるのに、時間はそれ程かからなかった。
「はぁ~あ」
梅崎君何処にいるんだろ?
……。
いないじゃん…。
そもそも、あたし梅崎君が何処にいるのか知らないし…。
あ…。
ってかどうせ、放課後練習あるんだからそん時でいいよね。
-放課後-
放課後になってしまった。
梅崎君今日来るかな?
今日の朝、ひどいこと言ったし…。
「春瀬先輩こんにちは。」
振り返るとそこには、元気いっぱいの梅崎がいた。
「あの…梅崎君……今日は…」
「春瀬先輩。練習しましょうよ~」
「え…あ。う…うん…。」
淡々と練習が進み、あっという間に帰宅時間になった。
「じゃー。もう遅いから、今日の練習はこれで終わり!」
さーてと!遅いし帰るかぁー。
「春瀬先輩。」
「何?」
「暗いですから、俺送りますよ…。迷惑でなければ…。」
「いやいいよ。一人で帰れるし…。」
そう…。
一人で帰れる…。
「ちひろ。暗いから、梅崎君に送って貰いな?」
「紗羅先輩。でも…。」
男って存在の人とは、誰とでも一緒は嫌だ。
それに…
また、梅崎君を傷つけてしまう…。
「先輩命令!」
こんな時に~?
「う゛。わ…わかりました…。」
「先輩行きましょ?」
「うん。」
その時、かなこがあたしと梅崎君のことを切なそうに見ていたなんて思ってもみなかった。
紗羅先輩に無理矢理言われて梅崎君と一緒に帰らされてるけど…。
会話がなく、静まりかえっている。
静まりかえった雰囲気を変えたのは、ほかでもないあたしだった。
「梅崎君…今日はさ…。」
「なんですか?」
「あの…ごめんなさい。」
「なにがですか?」
なにがって…。
「近づかないでってさけんで傷つけた。」
「あーいいですよ。気にしてませんから…。」
気にしてない…か…。
じゃあ、なんでそんなに悲しそうなの?
これが、君なりの優しさだったんだろう。
あたしの男嫌いを必死になって克服させようと…。
それでも…
あたしの闇はあまりにも深すぎたんだ。
そして、今日は待ちに待った体育祭。
皆、朝から気合いが入っている。
『ただいまより、開会式を始めます。生徒の皆さんは、至急入場門前に集合して下さい。』
「ちひろ♪何やってんの?行くよ~」
やたらテンションが高い実咲。
なんたって、行事大好きなヤツだから…。
「あ…うん。」
『では、皆さん。頑張って一日を過ごしましょう。』
校長先生の言葉も終わりいよいよ競技開始。
「どうしたの?ちひろ元気ないじゃん。」
「そう?」
元気がないのは、この間の梅崎君の悲しそうな顔が忘れられないから…。
でも、実咲には悟られたくない。
「悩みがあんならいつでも相談のるよ?」
『ただいまより、借り物競走を行います。選手のみなさんは…―。』
「あ…私行かなきゃ。ちひろ応援宜しく♪」
「うん。実咲頑張って。」
そうだよね。
今は、気にせずに体育祭を頑張ろ。