「待って下さい。先輩は、俺の話しをなんと思ったんですか?」
「え?かなこと両想いでしたって話しかと……」
「はぁーあぁー!?
誤解しすぎですよ。確かに中川には、告られました。」
やっぱり、かなこあの時告ったんだ。
やっぱり……あの時、追いかけるべきだったのかな?
「でも、中川の告白は断りました。そして、一つ条件をつけられました。」
「条件…?」
「あいつが俺に出した条件ってなんだと思いますか?」
「なんだったの?」
「あいつは、俺に言ったんです。『絶対、ちひろ先輩と両想いになんないと承知しないから!!』って……」
え?
あたしと両想いに?
「え?え?えぇー!!
ちょっ……どういうこと?」
頭が混乱して意味わかんないよ。どういうこと?
あたしと両想い?
え?え?
えぇー!!
あたしの頭の中は、プチパニックになっていた。
『あたし、梅崎くんのこと好きだったの』
って先輩が言った時は、何がなんだかわからなかった。
先輩が俺を……?
なんでとか考えたり、なにより嬉しかった。
好きな人が自分を好きでいてくれるってめったにないって聞いたことある。
だから、先輩が俺のこと好きだって言ってくれた時、
奇跡が起きたって思えた。
俺の気持ちも聞いてほしいのに先輩ときたら………。
『「ごめん、忘れて?
いきなり、困るよね?
だから……さ。忘れて?」』
とか言いやがった。
なんだよ、忘れてやんねーよ?いくら先輩が言ったって忘れることなんて出来るわけないじゃねぇーか。
先輩が俺のこと好きって言ってくれたのに……
俺も先輩のこと好きなのに。
伝えさせて貰えない。
入学式の日に迷子になっていた俺を助けてくれた先輩に
一目惚れして、なんとかして仲良くなろうって考えて……
北川先輩とかに協力して貰って色々と先輩との思い出も出来た。
「イヤ、聞きたくない。
だって、断るんでしょ?
だったら………。」
え?
誰が断るって?
先輩は、全然俺の話し聞いてくれない。
そんなのってつらい。
「違う……違います。」
気がついたら、叫んでる俺がいた。
叫んでる俺を見ておどおどしだした、先輩があまりにも可愛く見えてきて……
思わず、ため息がでた。
「はぁー。」
これほどまで、先輩のことが好きなんだって実感した。
「え?え?
ため息?ごめんなさい。」
「え?ちょっ…なんで謝るんですか?
先輩って人の話しとか、聞かずに先走るタイプなんですね。」
本当だよ、先走って人の話しを聞かなくて、
でも、そんな先輩も俺は、好きなんだ。
なんか、無償に笑えてきた。
「俺の話しは、聞いてくれないんですか?」
俺は、小さな子に聞くような優しそうに喋っていた。
「……だって、聞いたって………あたし悲しくなる話しでしょ?」
ん?
先輩が悲しくなる話し?
「待って下さい。先輩は、俺の話しをなんと思ったんですか?」
「え?かなこと両想いでしたって話しかと……」
中川と両想い?
「はぁーあぁー!?
誤解しすぎですよ。確かに中川には、告られました。」
今思えば、あいつはどんな気持ちで告白したんだろうか。
告白してフラれるってわかってたって言ってたけど………。
複雑な気持ちだったんだろうな。ごめん、中川。
俺は、お前の気持ちを無駄にしない。
「でも、中川の告白は断りました。そして、一つ条件をつけられました。」
「条件…?」
そう言うと、先輩は不思議そうにこっちをみていた。
「あいつが俺に出した条件ってなんだと思いますか?」
「なんだったの?」
「あいつは、俺に言ったんです。『絶対、ちひろ先輩と両想いになんないと承知しないから!!』って……」
「え?え?えぇー!!
ちょっ……どういうこと?」
先輩は、頭が混乱したらしくずっとパニック状態だ。
よし、これで伝えられそうだ。
「俺も先輩のこと好きなんです。初めて会った時から……。」
「へ?」
先輩は、パニック状態からか、すごく間抜けな声をだした。
多分、先輩は信じられないって感じだろう。
「本当に?」
「本当ですね。」
こんなこと言い出すんだよな。どうやったら、信じて貰えるだろうか……。
そうだ!
「俺も先輩のこと好きなんです。初めて会った時から……。」
「へ?」
そう言われ、自分でも驚くくらいに間抜けな声だった。
え?
ちょっと待って?
梅崎くんがあたしのこと?
嘘だよ!
だって……だって………。
夢を見てるみたい。
信じられない。
「本当に?」
「本当ですね。」
そう言い終わると梅崎くんは、ニッと笑みを浮かべて