私のかわいい後輩君


結局、あいつと春瀬先輩の関係ってなんだったんだ?

ここ数日、このことばかり考えている。


「よ、涼介!どうしたんだよ。
難しい顔したりしてさ。」

「………。」

「おーい。涼介!」

「……あ、わりぃ。
なんか、用か?」

「いや、別にねぇーけど……。」


ぶつぶつ、一人で文句言ってる悠輝。
普段なら、構ってやるけど………さ。
俺は、春瀬先輩とあいつの関係が!!




「梅、昨日の番組さ………」


にこにこ笑いながら、俺のもとに来る中川。
確か……
中川と春瀬先輩って同じ部活で仲が良かったはず。

だから、中川に春瀬先輩とあいつのこと聞いたら、なんか知ってりはず!


「中川、あのさ。」

「ん?何?」

「お前ってさ、春瀬先輩と仲良いよな?」

「そだけど……。
それが、どうかしたの?」

「春瀬先輩とよく一緒にいる男いるだろ?
そいつって春瀬先輩のどういう関係なんだ?」


もし、ここで
「うん。そうだよ?」
って言われたらどうすっかな?


それでも、中川から
出た言葉は、意外なものだった。


「……しらない……しらないわよ!!」


その中川は、いつも以上に
怒りをあらわにして、
いかにも興奮してますって感じだった。


「え?」

「しらないわよ。
だいたい、なんでいつも春瀬先輩、春瀬先輩なの?」

「はい?」

「いつも、いつも春瀬先輩ばかりで気分悪いよ。
なんで?
私の方が、梅の近くにいるのに。私の方が……」


そう言うと、中川は教室から走ってどこかに行ってしまった。

突然、中川が走りさってしまい、俺はただ呆然としていた。


「やるー。色男~♪」

「は?!」

「中川ってそうだったんだな。」

「なにが?」

「マジで?
わかんねーの?」

「おう。」

「頭がいいわりに、そっちのことは、馬鹿かよ。
あぁー。中川可哀相。」


いやいや、待て待て。
意味がわからん、俺の方がよっぽど可哀相だと思うんだか………。


それにしても、なんで中川はいきなり怒りだしたんだ?


あたしが、梅崎くんへの
気持ちに気がついて1週間がたった。


別に思いも伝えないから、
あれからの進歩なし!

「う。笑えないよー。」

「うんうん。笑えないねー。」


ひどい、すごく棒読みな実咲。ま、携帯いじってる時は大抵こんな感じだけど……ね。


最近、またお気に入りの人を見つけたらしい。

多分、その人とメールしてるんじゃないかなって思う。


でも…―――。



「むー。暇いよ、実咲が相手してくんない。」


実咲はさっきから、携帯の相手ばかりして、あたしの相手全然してくれない。


「はは。相変わらず、実咲は冷たいな?
よし、俺が相手してやんよ。」

「えー。太陽が?
珍しいね。なんか良い事でもあった?」

「よくぞ、聞いてくれた!!」


なんか、今日の太陽。
はっきり言うと、キモい感じ。うわー。なんなの?


「それがさ。
彼女がこっちに来るんだと。
昨日電話があった。
久しぶりの再会だぜ?」

「………あ。
写メの女の子ね。良かったじゃん。」

「嬉しくてさ、嬉しくて……」


そう言う太陽は、いつも以上に笑顔がたえない。
あんか、太陽が嬉しそうだと
なんかあたしも嬉しいな。


でも…

どうして、太陽は彼女を置いてまで、こっちに来たのかな?


「ねぇーね。
なんで、太陽って彼女置いてまで転校してきたの?」

「あ……それね……」


そう言うと、太陽は転校する前の話を話してくれた。

「ふーん。太陽も大変だったんだね。」

「だろ?
可哀相だろ?」


って笑いながら言われても……説得力ないから……。

「はぁーあ。
あんた達の会話ってなんか
在り来りね…」

「うわー。実咲だ。」

「ん?実咲ちん、携帯の相手は終わったの?」

「終わりました!!」


あたしこの光景大好きだな。


「バイバイ。」

「ちひろ、部活頑張ってね。」

「むー。あたしも帰りたいよーー。」


実は、数分前。
あたしは、久しぶりに部活の顧問に会ってしまった。

そしてそして、部活に強制連行されているしまつ。


「はいはい、春瀬行くよー。」

「先生の鬼。」

「なんとでも、いいなさい。」

「実咲ー。太陽ー。
ヘルプミー~!!」


ズルズル………。


「はいはい。じゃ、君たちも気を付けて帰りなさい。」

「はーい。」

「薄情者ー!!」