《ガラッ》
「ちひろ大丈…ってどうしたの梅崎君?」
「北川先輩」
俺は、今までの先輩のことをはなした。
「で、梅崎君はどうしたいの?」
どうしたいって決まってる…
「先輩を助けてやりたい!その為には…」
「そっかぁ…仕方ない知りたいんでしょ?ちひろの過去」
「はい。」
そして、俺は
知ることになる
春瀬先輩の
過去を…――。
~4年前~
「実咲聞いてよ~。神崎先輩と話し出来たの~。」
「よかったね。」
ちひろと同じ部活に2年年上の神崎 大翔って先輩がいた。
神崎先輩は、
誰からも信頼あって、
女子に先輩のこと好き
って言う人が沢山いた。
そして、
そんなちひろも先輩に
恋する一人の女の子
だった。
そんなある日のこと。
ちひろがいきなり私に言った。
「あたしね。先輩に告白しようかなって思ってんだ。」
突然な出来事だったけど、私はちひろの告白を当然のように応援した。
でも、あの時私がちひろの身に起こりうることに気づいていたら…。
ちひろが告白をしようって決めた日。
私は、ちひろの側にいた。
「先輩!あたし…先輩のことが好きです。」
「もー。なんで先に言うかな~。俺が言おうとしてたんだけどな…」
「どういうことですか?」
「俺もちひろちゃんのこと好きなんだ。」
ちひろの告白は、成功した。素直に嬉しかった。
「よかったじゃん。ちひろおめでとう。」
「あ…ありがどぉー」
「もぅー。泣かないの!」
ちひろは、幸せ絶頂だと思ってた。
でも違った…。
春瀬ちひろと神崎大翔。二人は、絵に描いたような理想のカップルだった。
そんな二人を誰もが祝福してるそう思ってた。
でも違った…
ちひろと神崎先輩が
付き合うことで
一部の人たちが
よくは思わなかった。
ちひろと先輩が付き合い始めて1週間がたったある日のことだった。
「あれ?靴がない…」
「まじで…」
突然のことだった。
その日は、ちひろが遅刻してきたから…
「慌ててたから、違う所に置いたんじゃない?」
「そうかな~?ま、いいや捜すの面倒から、上履きで帰るわ…。」
もしかして…イジメ?
まさか…ねぇー
たぶん、この日からちひろに対するイジメが起こりはじめた。
始めは、対したことなかった。
でも…―――。
ちひろに対するイジメは日に日に酷くなった。
「誰の仕業なんだろうね」
そう言いながら、ちひろは私の前では、
明るく振る舞っていた。
陰でひっそり泣いてる
なんて私には
想像できなかった。
ちひろは、強いヤツだと勝手に思いこんでいたから…。
ある日、ちひろに対するイジメは、先輩の耳に入った。
「ちひろちゃんは、なにがあっても俺が絶対守るから…。」
この一言がたぶん、ちひろの支えだったんだろう。
私も安心していた。
この人なら、ちひろを守ってくれる。
そう思っていた。