春には、別れがある。
悲しいものだけれど、
新しい
出会いがある。
そして………
私が貴方に出会ったのもちょうど、桜が綺麗に咲いてた季節だった。
季節は春。
つい最近まで、
高1だったあたしも、
今日から高2になる。
そして、今日は入学式。
あたしの学校は、くじを引いて、入学式の参加者をきめる。
そして、あたしはくじ運が悪いために入学式に参加となってしまったかわいそうなヤツ。
「はぁー。なんで、あたしってくじ運悪いかなぁ。」
ありえないよね。
入学式に参加しない生徒は、皆休みなんだよ。
「早く家に帰りたいよ。」
でも…
この日あたしが、入学式に参加してなかったら…
あたしと貴方は…
出会ってなかったのかもしれない…ね。
いつものあたしなら、遅刻ギリギリで走ってるんだけど。
今日は、すごく余裕があるなぁー。
「久しぶりだなぁー。この道の景色ゆっくり見んの。」
ん?
誰かそこにいる。
何してるのかなぁー?
「はぁー。高校って何処にあるんだっけ?」
まい…ご…?
タイの色からして、新一年生?…かな。
「初日から、遅刻はヤベーだろうなぁー。」
確かに…
初日は、遅刻しちゃいかんなぁ。
思い切って助けてあげようっと…。
よし。
思い切って声かけてみよう。
「ねぇ。どうしたの?」
「あ。学校に行く道がわかん…な…く…」
あれ…?
どうしたんだろ?
もしかして、あたしの顔に…。
「ん?あたしの顔になにかついてる?」
「いや…その…なんでもない…です。」
なんだ。
顔がおかしいとかじゃなくてよかった。
「もしよかったら、あたしと一緒にいく?」
「……。」
ん?
反応がない…
もしかして迷惑だった…
「いいんですか?」
「いいよ。だって、困ってる人ほっとけるわけないじゃん。」
「ありがとうございます。」
素直な子だなぁー。
助けてよかったよ。
「あ…あの…」
「何?」
「お名前なんて言うんですか?」
な…名前?
「春瀬ちひろだけど…。君は?」
「あ!聞いときながら、名乗るの忘れてた。俺の名前は、梅崎涼介って言います。」
梅崎涼介君かぁー。
ま、せっかくだから覚えておこう。