なんとかこの空気を打破しようと頭を捻るが低脳なあたしにいい案が思いつくはずもなく…一向に穏やかな雰囲気になりそうもない。


むしろ時間が経つごとに冷たさが増しているような…そんな気さえする。


このピリピリした二人に挟まれている状態のあたしは非常に居づらい。




「で? 改めて聞くけど授業中に、しかもこんなとこで何してんの?」


依智に向けていた視線をあたしに移して言う裟菟。


………え?


これってあたしが言わなきゃいけないパターンだったりする?


冷や汗ダラダラもんの答えをしなきゃいけないの?


精神的なダメージを負いながら答えた。




「佑祢に依智と一緒に拉致されてた…」


言ってから気づいたが…依智のこと、名前で呼んでしまった。


恐る恐る裟菟の顔を見上げると氷点零度の笑顔を浮かべている裟菟。


あたし…地雷踏みました…。


でも依智のことを苗字で呼んでも依智の地雷を踏むんだよね。


そこまで考えてあたしには地雷を踏む、という以外に選択肢はなかったんだと気づかされた。


ただ誰の地雷を踏むか変わるだけだったのだ。





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