「えっと…本部…本部…」
昇降口に着いたはいいけど、受付本部が見当たらない。
キョロキョロと辺りを見回していると、またもや後ろから声をかけられた。
「キミ…どうしたの??」
振り返った目線の先には、今度は男の人。
腕に立派な赤布に金の刺繍の"生徒会本部"の腕章をつけているその人は、少しだけ耳にかかる程度の、高校生には珍しい短めの髪だった。
「いや…入学受付の本部が分からなくて…」
今日はよく声をかけられるなぁ、なんて思っていたら、その男の人は心配そうな顔つきになった。
「もうそろそろ式だけど大丈夫??本部まで一緒にいこうか?」
と、言うと、あたしの返事なんかまるで聞かずに「来て」とズカズカ進んでしまった。
「うちの高校はちょっと分かりにくい所に本部設置してあるんだよね…。」
そんな事を終始呟いているのは、あたしに気まずくさせないための配慮だろうか。
"空気の読める心配性な"男の人のおかげで、アタシはなんとか入学受付を済ませることが出来た。
昇降口に着いたはいいけど、受付本部が見当たらない。
キョロキョロと辺りを見回していると、またもや後ろから声をかけられた。
「キミ…どうしたの??」
振り返った目線の先には、今度は男の人。
腕に立派な赤布に金の刺繍の"生徒会本部"の腕章をつけているその人は、少しだけ耳にかかる程度の、高校生には珍しい短めの髪だった。
「いや…入学受付の本部が分からなくて…」
今日はよく声をかけられるなぁ、なんて思っていたら、その男の人は心配そうな顔つきになった。
「もうそろそろ式だけど大丈夫??本部まで一緒にいこうか?」
と、言うと、あたしの返事なんかまるで聞かずに「来て」とズカズカ進んでしまった。
「うちの高校はちょっと分かりにくい所に本部設置してあるんだよね…。」
そんな事を終始呟いているのは、あたしに気まずくさせないための配慮だろうか。
"空気の読める心配性な"男の人のおかげで、アタシはなんとか入学受付を済ませることが出来た。