「あなた、さっきの子だよね?」


言うまでもなく、一ノ瀬先輩。

「あ…はい、すみません!あたしったらタメ語使っちゃって…!!!」


焦って焦って焦りすぎてそんなあたしを見た一ノ瀬先輩は ふふっ と少し笑った。



「いいよ、タメ語なんて。あなたとは仲良くなれそうな気がする。よろしくね」

笑った姿はまた可愛くて、見とれていると「じゃあね」と言って歩き始めてしまっていた。


「あ、ありがとうございました!!」


急いでお礼を言うと、前から担任が「行くぞー」と声をかけた。


これから、この高校で本格的な学校生活が始まる。



期待と不安に胸をうたれつつ、体育館へ入った。