「今度、成弥君を家に連れて来なさいよ?」

「…う、うん!!」

「お母さん張り切っちゃう~♪」

「もうっ!
お母さん!!」



どうやら、私は家族にも恵まれているかもしれない。

…そんなことを考えていた私に、お母さんが不意打ちした。



「そんな陽菜にビッグニュース!」



なに…突然?

さっぱり分からない…


不思議な顔をする私に、お母さんはニッコリと笑うだけ。


だから何なんだぁ~!?



「お母さんっ!!
ニュースって?」

「“ビッグ”ニュースよ」



強調いらないから!

勿体振らないでよ~!!



「早く言って!」



急かす私。



「お父さんね、来年帰って来る予定だったんだけど…」



“だけど”?



「11月には帰れるそうでーす♪」

「…嘘っ!?」

「ほんと♪」



お父さんが…

帰って来る!!



何年ぶりだっけ…?

最後に会ったのは…



「4年ぶり!?」

「そうね。
中学生のときからだから…」

「嬉しいっ!!」



私の誕生日は、本当に良いことばかりだ。


お父さんが予定より早く帰って来れる…


栞は一緒に喜んでくれるかな?

成弥はきっと呆れ顔で、私に“良かったな”って言ってくれそう…

恭平君は一人だけきょとんとして…



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